イベント制作会社として、誰もが楽しめるイベントが社会に増えることを目指し、社内外に向けた研修を長年実施しています。また、障害のある社員の職場環境を整え、長期就労につなげる取組を行っています。
アピールポイント
1999年から、イベントにおけるバリアフリーに取り組み始めました。現在は障害の有無に限らず、年齢・性別・国籍等にも配慮するダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。当社は、誰もが一緒に楽しむことで気付きが生まれるイベントを創出しています。
取組の概要
(1)障害のある従業員の働き方を整備
契約社員として入社した障害のある従業員に対して、一定期間の就労後、本人の希望も踏まえて正社員へ雇用変更を行っています。入社後、正社員になるまでの間に、本人の状況を確認しながら職場環境(スロープの設置など)や利用機器(拡大器、モニタ、筆談ボードなど)を整え、長期就労につなげています。
(2)社員向けにサステナブルイベントを推進
社内横断組織として「サステナブルイベント研究所」を設置し、社内のあらゆる地域・部署・職種の社員が参加することで、サステナブルなイベントづくりができる人材育成に取り組んでいます。特に、障害の有無、性別、年齢、国籍などに関係なく誰もが安心して楽しめるイベントを創出していくため、障害のある人とのキャンプや車椅子セミナーなどの研修や勉強会を実施しています。
(3)パラスポーツ体験を通じたダイバーシティ&インクルージョンの推進
パラスポーツの体験会を開催し、健常者も一緒に楽しめるスポーツとしてパラスポーツの普及、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいます。社内研修はもちろんのこと、自治体が主催するイベントへの出展参加や企業・団体との共催により継続的な活動をしています。最近は、小中学校の授業や教員向けに実施するなど、教育面でのアプローチも進めています。
「心のバリアフリー」実践のための3ステップ
(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
当社が手掛けるイベントの多くは屋外イベントです。仮設物等での対応が中心となるため、既存施設に比べ多くのバリアがあります。設備・備品等のハード面だけでなく、スタッフ対応等のソフト面からも対応事例を増やし、誰もが快適に楽しめるイベントづくりに取り組んでいます。
(2)コミュニケーションをとる
障害のある従業員も他の社員と同様の業務をしているため、日常的に当事者の考えや行動を理解しやすい環境にあります。また、人事総務部の担当者が、職場内障害者サポーターに登録しており、幅広い情報収集やコミュニケーションを通じて、改善策を模索しています。
(3)適切な配慮を行う
障害のある従業員には本人の状況を確認しながら、トイレやスロープなどの環境整備や、拡大器、モニター、筆談ボード、手話教室の実施などの環境を整え、誰もが働きやすい環境整備に配慮しています。また、社内で学んだことをイベント制作に生かし、行動しています。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
社内横断組織を中心にユニバーサルイベントの推進に継続的に取り組んでいます。発注元への働きかけ等により、イベントにおける心のバリアフリーの重要性をより一層発信していくことを期待します。